今回ご紹介するのは、高橋克彦さん著の『竜の柩』(平成18年7月14日 講談社文庫)です。
竜の柩は、現在6巻シリーズとなっていて、
竜の柩1 聖邪の顔編
竜の柩2 ノアの方舟編
竜の柩3 神の星篇
竜の柩4 約束の地篇
竜の柩5 心霊日本篇(霊の柩 心霊日本篇)
竜の柩6 交霊英国編(霊の柩 交霊英国編)
以上が、祥伝社文庫や講談社文庫から刊行されていますが、私は竜の柩1~4まで読んでいて、5と6はまだ読んでいません。
その1~4の中で私が最も興味をそそられたのは、1の聖邪の顏篇です。
そしてこの竜の柩が、拙著「オブシディアンの指環」に最も影響を与えた本の1つです。
1.竜との出会い
私が、いわゆる「竜」と出会ったのは、この本が最初だと思います。
それまで竜に興味があったのか名方の化すら覚えていないほどですが、この本で確実に私は「竜」に感化されたのです。
私の中では「竜」よりも「龍」の方がしっくりきます。
拙著「オブシディアンの指環」の中で、私が龍についてこんな描写をしています。
「龍は水を象徴し、水は生命を象徴しておる。つまり龍はありとあらゆる生命の象徴、というわけだ」
これは諏訪大社の秋宮を舞台とした場面で語られる台詞ですが、日本にも竜の痕跡があるということを私はこの「竜の柩」で知った、というか認識したのです。
物語の中で、主人公、九鬼虹人たちは津軽や信濃、そして出雲に伝わる龍神伝説を追っていくのですが、なかでも「飛竜眠土」と名付けられた章が、私の目を引きました。
飛んでいた竜が眠る場所。一体それはどこなのか。
九鬼紅人から淡々と語られるストーリーに私は否応なく引き込まれていきました。
そして最後、紅人立ちを乗せたロケットが空へ飛び立っていきます。
そう、まさに竜とはロケットのことだと想起させる描写です。
竜がロケットであるという描写には賛否両論あるようですが、私には違和感はありません。
竜が火を吐いたり、あるいはその強大な爪を武器にする。
それはまさにロケット、あるいはUFOにも例えても、あながち言い過ぎではないと私は思っているのです。
いま地球に生きる人類が、ダーウィンの生物進化論の中にあると思っている人もいるようですが、恐らくそれは間違いだったという時代がそろそろ来るのではないでしょうか。
竜の柩2にあたる「ノアの方舟篇」では、古代シュメールの文化文明をベースに物語が展開していきますが、私的にはやはり「竜の柩1」ですね。ワクワク感が違います。
「龍なんて想像上の生きものだよ」と、一笑に付する事なかれ。
そんな人に問いたい。なぜ、十二支に「辰」=龍が含まれているのか。
ネコがいないのに。
なぜ、キリンのロゴに龍があしらわれているのか。
2024年1月1日の能登半島地震の際に、中継していたテレビに黒龍が映ったと、一部で話題になっていたことをご存知でしょうか。
私も見ましたが、あれは確かに龍です。もう、龍にしか見えません。龍は存在しているのです。
最後に、この物語の主人公である九鬼紅人の紅人は「荒神」であることが明かされます。
荒神とは、素戔嗚尊のこと。
素戔嗚尊は出雲の地に降り立った後、八岐大蛇を退治した事になっていますね。
八岐大蛇も見ようによっては「龍」に見えます。
もし龍が日本における水神の象徴=日本人の象徴出会ったとしたら、素戔嗚尊が退治したのはいったいなんだったのか。想像が膨らみます。
「龍の柩」には、天津神VS国津神の物語が、どこかに隠されているのかも知れませんね。


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