次に読みたい本がここにある 15 「天使の遺言」

 今回ご紹介する本は、竜樹諒さん著の「天使の遺言」です。
 「あれ? 竜樹諒さんって、どっかで聞いたことがある」と、思ったあなた。正解です。
 この本の著者、竜樹諒さんは、あの「私が見た未来 完全版」で一躍有名になった作家さん、漫画家さんです。

 2025年7月5日。
 もう、いまではすっかり過去の記憶となってしまったこの日のことを覚えている人も多いことでしょう。

 巨大地震が起きて、巨大な津波が来て、日本の1/3が沈むとか、逆に1/3しか残らないとか、いわゆる終末思想的な都市伝説の出所と言われています。私もこの本は読みました。
 でもね、竜樹諒さん(この本では「たつき諒」と著しています)は、この「私が見た未来」では、2025年7月5日に何かが起きるとは一言も言っていないんです。

 ただ、これを切り取って広めたんだろうな、という記載はあります。
 それは竜樹諒さんが見た夢のメモ書きに備忘録として夢心を見た日付と時間を書いているのですが、そこに「2021年7月5日(月)4:18AM」と記しているのです。

 氣付いた人は氣付いたと思います。
 2025年の7月5日に何かが起きると騒いでいた人の中に、午前4時とか、午後4時とか、時間まで言及していた人がいたことに。おそらくその根拠は、ここにあるんだろうと思いますが、きちんとこの本を読めば、その日付や時間が、あくまで備忘録だったことが分かるはずです。

 つまり、YouTubeなどで騒いでいた人の多くは、一次情報に触れることなく、たんにPVを稼ぎたいだけで、情報を切り取っていただけなんでしょうね。私もこの件に関しては、結構な数の動画を見ましたが、内容の薄い動画もたくさんあったことは事実です。

 「天使の遺言」は、竜樹諒さんが、なぜこんなことになってしまったのかについて言及しています。詳細は本を読んで欲しいのでここでは触れませんが、要するに出版社の社員が「売れればいい」という商業主義で、半ば強引にたつき諒さんの言質を取ったようにして、それを書いた。ということのようです。

 たとえが適切ではないかも知れませんが、先日の臨時国会で、当時、立憲民主党の岡田克也議員が、高市首相に台湾有事のことをしつこく迫り、高市首相が発した言葉尻を掴まえて中国につけいる隙を与えた状況に酷似していると、私個人的には思っています。

 「私が見た未来」の出版社は、株式会社 飛鳥新社。よく覚えておきましょう。

 だから竜樹諒さんは、「天使の遺言」の出版は、著者である自分の意向がねじ曲げられることのないようにと、自費出版として文芸社から出版しています。
 なぜ、自費出版だとそういうことが出来るのかについては、私の別サイトで今後、触れていくことになります。

 日本人は、なぜか終末思想が好きで、私が子どもの頃には「惑星直列」が起きると、地球には巨大な重力が働いて、大地震が起きて、大変なことになるという漫画がありました。

 ハレー彗星がやってきて、彗星の尾に地球が入ってしまうと、そこには空気がないのですくなくとも5分間は息を止めなければならない。そのためには水を張った洗面器に顔を付けて5分間堪える練習をしましょうとか、自転車のタイヤのゴムチューブに空気を溜めてそれを吸う練習とか、いまにして思えば、実に馬鹿馬鹿しいことが、まことしやかに書かれていたのを思い出します。

 1999年のノストラダムスの大予言も世間を騒がせました。
 2021年12月22日には、マヤの暦が新しい暦に入るというので、ここでも世紀末思想が都市伝説界隈を賑わせました。

 ついこの間には、太陽系外からやって来た天体「3I/ATRAS(スリーアイ・アトラス)」が話題になりました。

 普通なら、太陽に近づけば近づくほどにスピードを増すはずなのにこの天体は、木星付近で一度「止まった」とか、はじめは赤色だったのに、急に緑色に変わった。この天体は、アメリカのホピ族に伝わる青い星だ、とか。あるいは、この天体は人工天体で本当は宇宙母艦で、地球に最接近するときに300隻の大艦隊が地球にやって来るとか、いったいその根拠はなんなのさー、という面白すぎる話がYouTubeを賑わせていました。

 酒飲み話としてはいいのですが、あまり度が過ぎると、情報の信用性や情報を発しているその人個人の信用性にも関わってくる話になってしまうと思うので、是非、一次情報を添えて情報発信をしてほしいものだと思います。

 「天使の遺言」では、竜樹さんの人生が赤裸々に語られています。
 もちろん、2025年7月5日の顛末についても、詳細が語られています。

 これからの時代は、益々、情報の発信者はもちろんですが、受け手である私たちのリテラシーが強く求められてくると思います。たつき諒さんの「私が見た未来」でも、ニセモノが登場して、月刊ムーのインタビューまで受けてしまうという事態になっています。

 あのムーですら見抜けなかったほどのニセモノですが、ニセモノが受けたインタビュー記事をたつきさん本人が目にすることとなり、ニセモノだったことがバレたというオチまで付いていますから、ウソはつかない方がいいし、やってはいけないことは必ず明るみに出るのです。

 そういう意味でも、今後はAIの進化によって、どの情報が正しい情報なのかを自分自身で判断していくことが重要委鳴ってくるのでしょう。

 どの情報が正しいのか、AIに判断してもらえばいいんじゃない? 

 そういう意見も出てくるかも知れませんが、そのAIの判断が正しいかどうか、の判断が必要になってくるのです。その辺りの面白さは、過去にここで紹介した小説「BEATLESS」に描かれていますので、こちらもオススメの小説なので、是非、読んでみてください。面白いです。

 私が言いたいことは、自分が自分であることを投げ出してはいけない、ということです。

 生きるための重要な判断を他人任せにしてはいけない。
 生きるための状況判断を他人任せにした結果、自分が命を落とす結果になったら、それこそ馬鹿馬鹿しいじゃないですか。

 本の最後に竜樹諒さんは、私たちに呼びかけています。

 「あなたにとって、平和とは何ですか?」と。

 竜樹諒さんは「安心できること」と結んでいますが、
 私にとっての平和とは「飼い猫の頭を撫でること」と
 「プシュ! っと缶ビールを開ける瞬間」でしょうかね。

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